少年時代

私は昔は悪ガキだった。
昔というのは日本に来る前なので小2までだ。
親の話によると幼稚園の頃はよく友達を泣かせていたらしい。
小学校に入ると友達とスパイ組織(名前は恥ずかし過ぎるので秘密)を設立し、
休み時間には校内の立ち入り禁止区域をあちこち潜入した。
放送室や屋上など次々と制覇していったものである。
本当にあのスリルはたまらなかった。
ある日は体育館のステージの横のカーテンに潜り込んだが、
先生に見つかり大目玉を食らったなんてこともあった。
放課後もその活動は休まることなく、公園の管理室の上に秘密基地を設置し諜報活動を続けた。
しかしある日、それに気づいた警備員が基地に突入してきた時は本当に恐ろしかった。
いきなり眼前に制服姿の男が現れ、広東語で訳の分からないことをがなり立てるのだから。
そんな遊びをしているものだから、学校の文集の将来の夢の欄に『忍者』というのを
本気で書いたぐらいである。
しかしそんなスパイ活動も、クラス替えでメンバーが結構変わったせいもあり、
小2には大分下火になり、年末には脱退した。
そして年度末には日本にやってきて、相当アウェーなので大人しくなり、
そのキャラが定着したのだ。


こんな私の今の状況を見て、スパイ仲間は何と思うだろうか?