一円玉クロニクル

以前こんな話を聞いた。
地面に落ちている一円玉を拾うのに要する仕事は一円以上に相当する。
だから拾えば拾うだけ損をする、という話だ。
その話を聞いた小学生の時は損得感情が最優先された時期であったから、
その説を鵜呑みにして、地面に這いつくばる一円玉を嘲笑とともに見送ったものである。
それから4,5年が経過した訳だが、一円玉を見るたびにその説を思いだしている訳ではないが、
なんとなく見た目のかっこ悪さと相まり、その行為は敬遠し続けた。
もはや一種の縁起の悪さに近い感情を抱きつつあるのだ。
と、日記に書くぐらいですから今日一円玉が落ちているのを見かけたのですよ。
そして、本当に一円玉を拾う仕事は一円以上の価値があるのかということを、
東横線のつり革にぶら下がりながらちょっぴり考えてみた。
一円玉を拾うのにはきっと2秒ぐらいしかかかんないだろう。
仮に拾う仕事が1円きっかしだとすると、一分で30円。一時間で1800円。
時給1800円である。ひたすら一円玉を拾うだけで1800円なのだ。
だからこれをご覧になってるあなたが時給1800円以上の収入を得ているのなら
拾うのは損。以下なら得、となる。
もちろんこれは仕事を中断してまで一円玉を拾えばの話。
暇な時ならどんどん拾って下さい。
こんなことを書いときながら私は多分拾わないけど。
それにしても最近はよく一円玉を見かける…。